紐を解す
手指が固いことに気が付いた。元々左手の人差し指の付け根にガングリオンという皮膚下に出来るできものがあり、指を深く曲げると痛い。そのせいもあるけどぎゅっとつよく手を握りしめられない。指を折りたたんで小さくすることが出来ない。ガングリオンという名前、面白いと思う。僕はカタカナの名称を覚えるのが非常に苦手。これを覚えるまでに100回くらい聞いてやっと覚えられた。この間教えてもらった五本指のスポーツシューズ...
View Articleダブルバインド
関節が鳴りやすい体質。右手の人差し指の第一関節は永遠にゴリゴリ言うし、肩は回すと外れそうな音がする。亜脱臼なのか疑っているけど今のところ生活に支障が無い。指は小学生の頃ドッチボールで突き指をしたのが原因かなと思っている。関節の中にある気泡が、曲げたことでかかる圧力で破裂して音がするらしい。背中を動かさず首を前に倒すと恐ろしい音がする。チェーン状に連なった頚椎が、自重と曲げる動作によって同時に逆方向に...
View Article去勢
実家にはシャガールが飾ってある。大きくない壁に「ロミオとジュリエット」。母が父と別れた時に「何でも持って行っていいよ」という言葉を真に受けて(それとも悪意でというべきか)リトグラフでも大層な値段のする魔笛と共に引っ越し屋に頼んで札幌まで運んできた。魔笛はある時、逆らえない条件を付けて父が返せと訴えてきたので手放した。もう一方はいまだに家の壁に堂々と掲げられているはず。若夫婦だった2人はどこかのデパー...
View Article多様性の位相
洋画を沢山観ている。レストランに入るブロンドヘアーの女性を、気の弱そうな男性がエスコートする。ドアを開けて、椅子を引く。迷いが無い動作。受ける側の女性も空気が開けてくれたかのように入っていき、当たり前のように椅子に座る。どうしようか、って言わなくともシャンパンがいいよね、って那由多ほどある選択肢の中から、スマートに男性がチョイスして飲む。中国から来た留学生が志望する企業に片っ端から「仕事をくれ」のメ...
View Article心は複雑に
上田市内に新しくスターバックスが出来た。箱の様に四角い外観の周りにある植木に間接照明が当たっている。店の入り口まで行くと、外国人の喉が開いた声のジャズが流れていて、カウンターには前髪をかきあげた女性が自信たっぷりに微笑んでいる。店に入るよりも前に素敵な店だ、と思った。やっぱり新しい店だから、とか店員が綺麗だからって理由なのかと思ったけどそうじゃない。音楽だ。箱に近付いたら聞こえてくる。お洒落のテリト...
View Article合わせ鏡
僕らの父親世代の人たちが20代~30代の頃って「カッコつける」が普通だったと思う。港にあるロープをかけるビットに足を置いて、ジャケット片手にきらりと笑うイメージ。石原裕次郎。僕の父親は若かりし頃、写真を撮る時だけ二重にして映っていたらしい。祖母の姉に意地悪く指摘されていたのを母親から聞いた。木村拓哉がどんな人を演じても木村拓哉でしかないというのと、昔の「格好つける」は似ている気がする。...
View Articleコピー品のコピー品
増税したらしい。タリーズでは半端な価格が目立ち、使い捨てカップに入れるからな、マグカップコスト高いからな、と宣う。それでも気の利くあの子はマグカップに入れますねと言って、並々と注がれたコーヒーを出してくれる。万事変わっていく。いつも座る席が1人掛けから2人掛けに。物価が崩壊したようなあの中華料理屋も20円値上げしていた。1.はしがき2.ネガインパクト3.コピー品4.焼酎は評価しない...
View Article自明人間
上田の駅前。ロータリー添いに慎ましやかな数の店がある。地方都市は概ねこんな感じ。飲み屋数軒とスタバかタリーズ。東京の端っこでも、九州の方でもきっと同じ風景なはず。大型資本によって日本全体が均質化されてる!って批判することも出来るけど、僕はどこも駅前はこんなもんよね、って知った顔が出来て安心する。...
View Article変化の一過
台風が来た。昨晩は雨が降っていたけれど、大したことない。風はそれなりに存在を主張する強さ。携帯電話から警報が何度も鳴って「警戒レベル5です」と言う。周りは静か。「冷静に避難をしてください」と言うテレビと携帯電話だけがうるさい。それらに没頭すると体と心が分離する。近くで戦争が起きているのに、めっちゃ平和。日常が壊れそうなのに、壊れてほしいくらい嫌になっているのに壊れてくれない。ゴジラの足が、僕の家だけ...
View Article生きているだけで
冬がやってくる。上田市はピカピカに晴れていて、さも冬なんてありもしないかのよう。当たり前なんだけど、春が来て夏が来て秋が来た後に冬が来る。春夏秋冬よね。四季が明確な日本に産まれて30年以上経ったけど、これまで季節を感じたことが無かった。どういうことかと言うと「何か寒くなくなったな」(春)「何か暑いなおい」(夏)「寒くなってきやがった」(秋)「まじくそ寒いじゃん」(冬)という具合に、その時の気温等は感...
View Article脳
りんごを沢山頂いた。とりあえずカウンターの上に置いておく。りんごの模様は目を凝らして見ると結構奇抜。派手な赤色を下敷きに薄黄色の筋模様や斑点。人が着る服に採用したら、草間彌生くらいのビックアーティストでないと似合わない。シマウマのゼブラ柄は、承知の通りライオンなどの捕食者に狙われないようにするため、風景に馴染むようにできているらしい。奇抜なのに、目に馴染む。面白い。リンゴやシマウマは数が沢山あるから...
View Article頑張るを考えてみた
日々忙しい。沢山の雑事と雑談に対応していて、自分の時間が取れない。朝起きて、なんか色々やってたら、あ、あなたそんな風に僕を巻き込むの?僕とやりたいの?そうなんだ〜?あーれーという間に1日が終わる。濃厚接触エブリデイ。それでも、それでも自分の好きなことをやって、成し遂げるにはどうしたらいいんだろう。と考えた。脳内googleがページの先頭に出した答えは「頑張る」。あれ、頑張るってなんだろう。考えてみる...
View Article日本が嫌いと言わないようにしたい
コロナウィルス。まじファック。中国インバウンドを狙ったボスと、ボスのことが大好きな同僚の機嫌を損ねさせて、雰囲気が悪い。悪かった。ある朝、イヤホンで音楽を聴いていたら「挨拶くらいしたら」とウーハーボイスで言われた。怒ってた。うん、挨拶はした方が良い。人が人を認識した合図であり、発声練習であり、自分と相手の調子を測れるバロメータだもんね。挨拶のための挨拶はルールフォールールで、空気に徒手空拳を喰らわせ...
View Articleピエロにラップキス
訛りを極力避けて生きてきた。だべ、しゃっこい、鍵かった?はご法度。そう僕は北海道出身。東京に憧れる母に育てられ、その母は北見市を恥ずかしがる祖母に育てられたから当たり前かもしれない。都会なのか田舎なのかなんて、めっちゃ誤差。知り合いの60台男性は、日本で雨が一番降る山間の集落に生まれ、山猿みたい(自分で言ってた)な生活をマジでしていたらしい。物を買うときは帳簿。大学はおろか高校も出ていない。40年以...
View Articleこだわりと線引き
ジョンレノンが「想像してごらん世界がひとつだったなら」とBluetoothイヤホン内で囁いている。国とか思想のこだわりで線を引くのはしんどい。世界はもっとおちゃらけてていい。僕の功績だって誰かに蹴っ飛ばされて良い。本当に素晴らしい功績があれば、違うのかも。いやよく考えたら無かったわ。「ノーベル賞が何の役に立つんだよ!!」って貶された科学者は多分え?そうなの?って純粋に驚く。そう、おじさんが素直な顔す...
View Article無に惹かれるか
Tシャツの下に黒いタイツを着てみる。ラッパーっぽい。おいそれとNORTHFACEの黒いニット帽を浅めに被る。ロゴは正面じゃなくこめかみあたりにしておく。31歳にして初めてのストリートファッション。ダボダボのジーンズは持っていないので普通のを履く。おお、若い。シャツにニットなんてスタイルが僕にとって普通だから、〇〇っぽいがつくと小恥ずかしい。だけど属性が自分に着くと安心するのも事実で、本当に若い人から...
View Articleタピオカで学んだ違いについて
タピオカミルクティーを飲んだ。犬のマークが入ったかわいいお店。ファンデーションを濃い目にキメたマスク姿の女性が黒糖ミルクティーのLサイズを渡してくれる。「袋はつけますか」と聞かれて一瞬逡巡した。「何のための袋なのか」「これはタピオカを飲むときに必要なものなのか」それらの回答を出そうとして頭がフリーズしたところ、先ほどよりも強くて速い語調で「袋つけますか」の強打。その間僅か3秒足らず。さながらワンツー...
View Article自分勝手の普遍性
周りが気になるよな自分。自分勝手なのに。といつも思う。誰だって勝手に酸素を吸って二酸化炭素を出して、お肉を食べてうんこを流す。誰しも自分勝手の化身。敬愛する人の言葉を借りると、誰しも罪人であり、貢献者である。どこか企業が、成人男性の生活全てのデータを取る代わりに、生活保護時位の給与を出すという。何もしてない、けどデータは差し出している。お金が発生する。何もしないけど、ただそこにいる価値。レンタル何も...
View Articleシカと麓の当たり前
富士山を見に行った。一番は何でも偉い、富士山はすごい。河口湖のあたりの車のナンバーは「富士山●●●」。おばあさんが乗ってるピンクのデイズもそのナンバーだと何だか誇らしげ。写真を撮って、自撮りもしていたら大分歳が離れていそうな夫婦に写真を撮ってと言われた。もちろん。と答える。もちろんって答えるのが好き。off course よりwhy not...
View Article他人の快適は自分の不快で、その逆もありけり。
昨日、台湾人に言われた。「自分の言葉を違う言葉で言い換えられるのは、ある程度以上、脳を使える人じゃないとできない。だって〇〇さんは僕にスノーボードを教える時も、会話もずっとヤシマさんの翻訳が必要だったでしょ。思い出してみて、▲▲さんは日本語しか使わないけどヤシマさん無しでも会話になってたでしょ。」驚いた。気が付かなかった。確かに、ルールが大好きな知り合いの女性は、外国人が困った顔をしていても、日本語...
View Article人生の目的は反逆にしかなりえない
東京に来ている。新幹線を使って、地下鉄に乗って新宿御苑にいる。7日間で8400円のホテル。友達と3人でいくらになるのか。ちなみに朝ごはんまでついている。...
View Article引きこもりについて考えてみる①
コロナで皆ひきこもっているらしい。これを機に皆さまが家に居る良さを知って、会社に行くなんて馬鹿らしよね、そもそも何で働いているんだっけ、ってなって自分の好きなことにもっともっと傾いていってほしい。人が生まれた意味なんてのは、タンポポが綿毛を飛ばして、子孫を繁栄させていることに疑問を持つことと同様で、ナンセンス。もういること、あなたが今いる目の前のことに目を向けた方が、合理的。ただ、それが出来ないから...
View Article悩み愛好
宇多田ヒカルのライブ映像がYouTubeにアップロードされている。むっちりした体に、横を刈り上げた髪型。「会場は見づらいかもしれないけど、こっちからはちゃんと見えているよ」と言う。一瞬の静寂の後のプリズナーオブラブ。最高にエモーショナブル。なんで惹かれるんだろう、と考えてみる。きっと感情の波がその原因。と考えに至る。高齢者になると、他力本願になる。自転車で走っていると「僕が見てなかったらこのお爺さん...
View Article引きこもりについて考える②
僕の知り合いが一日中ベッドにいる。台湾人なんだけど、コロナとか色々で参っている訳じゃない。それなのに一日一回も会わない。仕事とかビザとか住む場所など様々な決めるべきことはあるのだけど、それにはYESともNOとも言わない。ただ、決まったことには従うし、お金も払う。きっと彼は混乱しているんだと思う。状況が変化して、やりたいことがやりたいように出来ない。起きてしまった波をどうにかするために、彼は一日中パソ...
View Article決断から怠惰を構築す
決断をしたいなーっていつも思う。考えて、決断の洪水の真ん中に僕らはいつもいて、事象の中じゃないんだよなって思う。人は自分の中にしかいられない。悲しいけど。その自分と、外界の接点には必ず決断があって、そしてそれには排除がセット。それに伴う感傷とかもひっくるめて全部無しにせにゃならん。僕がこれまでしてきた決断は、恐らく本当の意味での決断でなかった。自分の領域が曖昧だから、流されてふわふわして、ここじゃな...
View Articleラテ
ブルーボトルコーヒーのラテが異常な美味しさだと思う。さっき、セブンイレブンのラテを買った時、おじさんが「ラテ美味しいもんねぇ、外で飲むより美味しいってみんな言っているよ」とこちらを見ないで、へらへら言っていた。値段と比較すると美味しい。ただ、ブルーボトルのそれとはまったく違う。そんなことを考えていたら、ふと思った。いつからラテなんて飲むようになったんだろう。コーヒーはカフェインか熱を取るためだけのも...
View Articleあっで始まるセンシティブな何か
あっ、という文頭の言葉をよく使う。あっありがとうございます、や、あっそうなんだね、って。この「あっ」は、クッション。言いたいことが正しいか、自負があるかを自分に問うたまま音を発しているから、緩衝材をつけたくなる。ありがとうございます、の含む傲慢さに耐えられなくて、尊大な自分をみたくなくて、傲岸不遜な奴を軽蔑する意味で「あっ」をつける。...
View Article早く妥協した人間になりたいという話
四谷の自転車屋さんに行った。自転車が壊れたけど、治すとすると新しいのを買えるくらいの値段。知り合いのイギリス人が使わないやつを買おうとしたら2万円だと言われた。元値は25000くらい。誰が買うんだ。いつも店先に座っている、パーマで長髪のおじさんの顔を覗くと、なに?どうしたの?と言われた。僕が困惑した顔をしながら、自転車壊れたみたいで、、というとちょっと優しくできる限り安くやってみるよ、と。僕の世界は...
View Article新宿Uberは、おじさんを育てる
今、新宿にいる。ホストとバレンシアシアガと外国人が元気な街。世間では住所を持たない、自由に世界を飛び回るアドレスホッパーが話題になっているけど、僕は強制アドレスホッパー。いや、というよりもギリギリホームレスを免れた人。そこでUbereatsをやって糊口をしのいでいる。...
View Articleコミュニケーションは信頼につながる
寒くなってきた。東京の冬は北海道よりも長野のように、道路が凍結せずに完結しそうなんだけど、それでも寒いものは寒い。身体がその地域に順応していくんだろう。東京に来て、10か月。最初は仕事も家も無いほぼホームレスだったけど今は仕事も何とか続けていて友達がいる。世の中にある貧困というものの多くは「助けを求められない」に起因していると思う。困ったら誰かに頼る。それだけのことなのに、ハードルが高い。なぜかって...
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